Wednesday, May 18, 2011

オラクルメイドなエンプラ向けパブリッククラウドをソフトバンクが提供へ

ソフトバンクテレコムと日本オラクルが共同でエンタープライズ向けのパブリッククラウドサービス「ホワイトクラウド エンタープライズPaaS powered by Oracle」を5月18日に発表しました。リリースはこちらからチェックすることができます。

すでにいろんな媒体で記事になっていますが、どういうサービスかざっくりと説明すると、ソフトバンクテレコムが提供する企業向けのパブリッククラウドサービスで、完全従量課金制、2,980円/時からOracleデータベースが利用できるというものです。課金は1コア単位、最小構成はメモリ8G、ディスク500G。βサービスの開始は今年夏から。正確なスタート日についての明言はありませんでした。

実際には2,980円で始めるのは難しそうですが、オンプレミスでOracle環境を構築することを考えれば、たしかにコスト的にかなりお安く上がるのは間違いないでしょう。導入の手間や期間、管理者の心理的プレッシャーなどを考慮すれば、これまでOracle導入をためらっていた企業にとっていい機会となる可能性は高いです。日本オラクルの遠藤社長は「このサービスでOracle導入のハードルを下げたい」と会見で強調していましたが、Oracleユーザの裾野を拡げるという点では良いサービスだと思います。

このサービスは"powered by Oracle"というだけあって、ソフトウェアはもちろん、ハードウェアもOracle製です。今回発表されたサービスでは、かの超高速データベースマシンExadataが使われていますが、秋からスタート予定というアプリケーションサービスではExalogicが使われるとのことです。ソフトバンクテレコムは日本企業ではじめてExadataを導入した企業でもあり、Exadata/Exalogicに関するノウハウも相当蓄積されていることから、Oracleインフラのクラウドサービス事業者としては適任といえるでしょう。ソフトバンクテレコムの阿多常務によれば、同社には180名以上のOracleスペシャリストがいて、最上位のプラチナホルダーは10名、ゴールドホルダーは23名もいるそうです。ここ数年で社員の大幅なスキルアップを図ったのだとか。Exadataを導入したことでパフォーマンスは8倍に、コストは半分になったので、その余力で社員教育を充実させた結果だと阿多氏は語っていました。

Amazon EC2などでもOracleは使われていますが、「日本のサービス事業者がOracleを使ってパブリッククラウドを提供するということが嬉しい」と日本オラクルの三澤常務が言っていた通り、国内のデータセンターにデータを置いておきたい企業が多い日本では、ソフトバンクが提供するクラウドという点が非常に有利になってくるでしょう。今後、Salesforce.comやMicrosoftがどう対抗するのかも注目したいところ。エンタープライズベンダはプライベートクラウドばかりでパブリックには見向きもしない傾向が続いていましたが、そろそろこちらの競争も面白くなってきたようです。




※追記: 当初、料金を2,980円/月としておりました。いきなりとんでもないミスで申し訳ありません。ご指摘ありがとうございました。月額2,980円なら個人でもオラクル使えるって…(o_ _)o